「じゃ俺にご褒美くれ」


「えっ?」


俺は彩実のマスクをとって後頭部に手を添えてキスをした。

冬の空気で冷たくなって柔らかい唇だった。


唇離して見つめ合う2人…


「彩実…好きだ…」


車椅子の彩実を抱き締めた。

彩実は俺の背中に手を回し

「私…幸せだよ…この幸せが
いつまでも続いたらいいのに…」

「ずっとずっと続くよ。終わりなんて無いよ」

俺達は長く抱きしめ合った

寒空の中幸せの暖かさが俺達を包んでくれた


これが最後のデート。最初で最後のキスになってしまった