「団子か....。平助、勿論俺の金じゃあねぇだろうな?」
眉間に皺を寄せた土方さんはニヤリ、と片方だけ口元をつり上げる。
「あ、当たり前だろ!?これは俺の金だよ!!」
平助の慌てた様子、と土方さんの反応を楽しみに、の2つにクスクスと笑う。
「土方さん、根に持つ人は嫌われますよ?」
土方さんはさらに眉間に皺を寄せて舌打ちをする。
「てめぇのことを忘れたわけじゃあねぇからな」
ギロリ、と効果音がつきそうな勢いでこちらを睨んでくる。
おぉ、怖い怖い。
やっぱり、昼間のこと根に持ってるんだ。
次からは頼まれたもんは自分で持ってこい、なんて説教までしてくれて。
「まぁまぁトシも、今日は満月だ。そういうことは後にしようじゃあないか。」
さすが近藤さん。どっかの人と違って広いお心をお持ちだ。
クス、と笑って土方さんを見れば更に此方を睨んできた。
土方さんはほんと人を睨むのが好きだなぁ。
少しの沈黙。
それを壊すのは平助で。
「なぁ、やっぱりこの町にいんのかなぁ」
名前も言わず、でもみんな誰の事なんて嫌でもわかる。