「泣かないで」
「うっ…ふふぇ…」
「女の子は笑ってなきゃ」
なんとも綺麗な庭園にいるのは小さな男の子と女の子。
男の子は、泣き止まない女の子の頭を優しく撫でてあげる。
だけど、女の子は泣き止みそうになかった。
「これ、あげる!お守り!」
男の子が差し出したのは、金色に輝いた花のモチーフの髪飾り。
「綺麗……」
「僕のお母さんの形見。
君のこと守ってくれるはずだよ!」
「……ありがとう」
女の子はぎゅっと大事そうに髪飾りを握りしめた。
「それじゃあ、そろそろ行かないと」
「また、会えるかな?」
「大っきくなったら、またここで会おうね」
「約束だよ!」
「うん、約束!」
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本が開かれた。
物語が動き出す。
三人の高校生によって。
女の子と男の子は結ばれるのか、はたまた…
まだ、誰にもわからない。