ただひとつ誤算だったのは、”つまづいた”こと
長い間、手がかけられず浸食が進んだ遺跡が多いこの島
そのため、至る所に瓦礫が散乱している。
目の前の彼女にばかり意識を集中していたせいで、足元がおろそかになっていた。
あっ、と声を上げる暇もなく、派手に転ぶ
二人きりの海岸線に情けない音が響き、おそるおそる顔をあげると……美しいブルートパーズの瞳と出会った。
眼前に広がる地中海とおなじ色をたたえたその瞳に、一瞬心臓が止まった気さえした。
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