「べた惚れじゃない、この幸せ者」


「う、うるさいな」



いつものように亜理紗と机を並べて昼食をとる。


怪我をしてから2週間
足はもう松葉杖を使わなくても歩けるくらいには回復していた。

しかし、医師の進藤先生が言うには



「陸上部に入るんだったら激しくなるんだからまだ運動はだめよっ」



ということだった。


しかし松葉杖を手放してから早1週間
割と驚異の回復力、らしい。



「でも気を付けてね、靭帯は一度痛めると癖になりやすいから」



と念を押されて終わった。


真尋とはほぼ毎日一緒に帰るようになっていて、亜理紗にはよくそのことを聞かれた。
ただ一緒に帰って普通(?)に話しているだけなのに何故か無駄にいじられる。



「毎日同じようなこと聞いててよく飽きないな」


「あんたの反応見るの楽しいのよ」



彼女はいつからそんなキャラになったのだろう?
というかあたしの反応がそんなに面白いか。



「樹ね、話してる時すっごく顔に出てるのよ。
ここまであからさまな子初めて見たわ」



「んなこといわれても」



こっちは無意識なんだ。



「どうしたらいいものか」


「いや、いいでしょそのままで」



亜理紗がにっこりと笑う。
いやそこまで言われたらそのままにできないでしょ…