「それで、何をしていたのかな?」



あたしはにっこりと笑って2人を見た。
すると2人は言い訳を始める。



「ほら~やっぱりああいう風に出て行かれたら気になるじゃない?」


「それでこっそり話を聞いてたら亜理紗がねえ」


「だって突然虫が飛んできたんだもの!」



と言い争いが始まるが、それもすぐにおさまり突然にやけ始める。



「それで樹、そんなに真尋ちゃんの事好きなんだあ」


「よかったなあ真尋。
お前よく一之瀬の話してたもんなあ」



綾瀬の言葉に今度は真尋が赤くなって



「わ、わああああああそんなことここで言わないでください!!」



と慌てる。

そうだったんだ…
なんだか嬉しかった。



「と、とにかく樹さん!」


「は、はい」


「そんなの気にしなくても、それなら僕は部活終わるまで待ってますから!
だから大丈夫です」


「でも…」



ずっと待たせるのは申し訳ないといおうとすると、それをわかっていたかのように



「大丈夫です。
それに僕、樹さんの走る姿好きですから」



と何ともまた嬉しい言葉をかけてくれた。


それから真尋は綾瀬を連れて教室へ戻っていった。