真尋の声を聞いてつい再び伏せてしまう。



「いや、だから、その…ね?」


「うん」


「部活入ったら…に…れる時間…から」


「え?」



あたしが女だということを初めから見抜くくらいならこれも察してくれ



「だから、真尋といる時間が少なくなるというか…」



だんだんと声が小さくなる。
今までにないくらい顔が熱い。

今までとまるっきり対応が変わってしまっていた。


真尋は今どんな顔をしているだろうか…



とその時、



「ひゃっ!」



近くから小さな叫び声が聞こえる。
なんだか聞き覚えのある声だった。



「ちょっ、バカ!ばれる…」



…とこれもまた聞き覚えのある声。

顔を上げて真尋と見合わせる。
真尋が立ち上がって横から下を覗くと



「…何してるんですか」



と強張った声を出した。

声をかけられた2人はそろそろと階段を上ってくる。



「亜理紗に綾瀬…」



2人はあははと笑いながら現れた。