屋上の扉の前
自分で指定したのはいいが階段が辛かった。
真尋は先に来ていた。



「樹さん!大丈夫?」



真尋が来てくれて、結局最上段まで上がるのはやめて途中で座り込んだ。

ここを選んだのはあまり人目につかないようにする為だった。
ただでさえ目立つのに真尋と一緒にいるのを見られたら大騒ぎする人が出るだろう、、、



先に足のことを聞かれたので簡単に説明する。



「そっか、お大事にね…
何かあったらいつでも頼ってね!」


「うん、ありがと」



そこまで頼もしくも感じないけど
隣でそんな風に笑われると…
思わずうずくまって顔を隠してしまう。


ううう…
昨日の事があってからなんかおかしい。

関係が変わったからだろうか?
それとも真尋が男だと知ったからだろうか?



「樹さん?どうしたの?」



ハッとして顔を上げる。
つい自分の中に入り込んでしまっていた。



「え、なんだか顔真っ赤だよ?」


「い、いや、何でもないから!!
ほら、今日暑いし!!」



慌てて誤魔化そうとするけど完全に怪しいやつだ。



「そう?僕は丁度いいけど」



どうにかばれなかったようで一安心…