しばらくすると教科担当の先生がきてどうにか落ち着いた。

授業を挟んだ１時間後は先ほどのように荒れることはなかった。



「…ねえ」


「…………。」


「ねえ、機嫌直してよ」


「…………。」



亜理紗は機嫌を損ねたままだった。
と言いつつも隣でいつものようにお弁当を食べているのだが。

しかし長年の付き合いから対処法は見つかっている。



「ロロゾフのロールケーキ」



ピクッ



「買ってあげるから許して」


「…それなら許す」



どうにか解決したようだった。
ロロゾフは亜理紗が大好きなケーキ屋
あそこのケーキ地味に高いんだよね…


そして機嫌を直した亜理紗から出てきた話題はやはりあのことである。



「それで？なんて言われたの？」


「そ、それは…」



昨日のことを思い出しただけで顔が熱くなる。



「ううう…」



机に伏してしまう。
そんな様子を見てか



「樹ったら可愛いなあ」



とか言ってくるからもうさらに顔が熱くなる。



「あああやめて…」