病院を出ると母が待っていた。
あれから家で馬鹿にされてメンタルが傷ついた。
そして散々好き放題言った後決まってこう言う。



「どうしてそういうところあたしに似ちゃったのかねえ」



実を言うと母も昔女子からモテていたらしい。
今の見た目からじゃ想像つかないけど
それはつまり…

遺伝か。


松葉杖をつきながら車まで移動する。
捻挫等はよくあったが靭帯は初めてだ。


車に乗って学校へ向かった。
この時間だと恐らく授業は4時間目からだろうか。


全治1か月…

憂鬱だった。



学校に着く。
校門を入ってからの坂はなかなか辛かった。
更には階段だ。

教室までの道を辿りながらしばらくは大変だなと思った。


今はちょうど休み時間で
教室に入るには丁度よかった。



「樹!!」



教室に入ると亜理紗が真っ先に飛んできた。



「大丈夫なの?」


「うん、まあ2週間は安静らしいけど」



軽く説明する頃にはクラスの女子もわらわらと集まってきてた。

亜理紗は話を聞き終えるとそっかそっかと頷く。



「それで、い、つ、き、ちゃん?」



突然亜理紗がニコニコし始める。
そしてなぜちゃん…?!