あの子、どうしてあんなに可愛いのにズボンなんだろう?



「5分前行動は基本だぞ」


「すみません」



2人は謝りながら席に着こうとする。


が、



「…あれ?おかしいな、席どこだろう?」



どうやら2人とも席がないようだった。



「お前ら名前は?」


「綾瀬翔太です」


「穂村真尋です」



先生が出席名簿を確認する。



「…お前らクラス隣だぞ」



「「へ?」」



2人声を合わせて呆気にとられる。

何人かがくすくすと笑っている。



「1年1組だ」


「えええすみません間違えました!」


「だから違うんじゃないかって言ったのに!」


「翔太君だって分からなかったじゃないか!」



クラスが沸いた。

2人は言い合いをしながら教室を出て行った。



あたしは女の子の方が気になっていた。

なんだか自分と似ている気がした。




穂村真尋…




彼女をじっと見ていると、綾瀬翔太とじゃれ合う中ふと目があった。


かすかにニコリとした気がした。