真尋に降ろしてもらって靴を履く。

数分経つと、車で母親が迎えに来た。


後部座席の扉を開ける。



「お礼に駅まで乗せてく」



あたしがそう言うと真尋はポカンとしたのちに



「い、いえ!!大丈夫です!!!」



と遠慮する。



「いいよ、乗って」



真尋は、じゃあお言葉に甘えて、と車のもとへ来る。



「母さん、この人は真尋。
駅までいいかな?」


「穂村です。こんにちは」



真尋はぺこりとお辞儀する。



「あらこんにちは。樹がごめんね~!
どうぞどうぞ乗ってって!」



母は笑顔で了承する。



「お邪魔します」



車の中に入る。
駅に向かって車を走らせた。

駅に着くまで母がいろいろと話しかけていた。



「じゃあ、またね」


「うん、足お大事に。
ありがとうございました」



母に挨拶すると、真尋は駅の方へ走っていった。

真尋の姿が見えなくなって、再び車を走らせた。