幼馴染が来た途端正直ホッとした。



「モテるわけじゃないでしょ。茶化すのはやめてよ、亜理紗」



柴田亜理紗。

生まれたときからずっと一緒にいて
こんなあたしのことを気にかけてくれる。



亜理紗はえへへと笑う。

そんなところがとてもかわいい。



「え、うっそ、あの子女の子なの?!」


「ちょっとショック」


「でもそこらへんの男子より全然かっこいいよね」



亜理紗の言葉が聞こえたのだろう
数人が再びこそこそと話していた。


まあ聞こえている時点でこそこそではないけれど…


近くで話していた女子生徒がおずおずと近づいてきた。



「あの、お名前は何と…」


「あたしは一之瀬樹、よろしく」


「よ、よろしくお願いします!!」



微笑むと女子生徒は顔を赤くして戻っていった。


そんな様子を見ていた亜理紗はというと…



「かっこいいねえ、改めて惚れ直しちゃう」


「亜理紗までやめてよ。割と気にしてるんだから…」


「え~いいじゃないイケメン女子。
私は好きだけどなあ…

第一なんちゃって制服でズボンはいてる時点で終わってるわ」



さりげなくグサッと刺さることを言う。