放課後、誰もいない教室に2人だけが残っていた。


窓から射し込む夕陽が彼女の顔を赤く照らす。



いや、これは夕陽のせいではない。



「樹さんが好きです。

付き合ってください」



相手が赤面しながら言うのを見て、またか、と思った。
それと同時に彼女もか、と思った。


今まで一体何人の女の子に間違えられただろうか。

本当に知らない人もいたが
中には知っていてなおそれでもいいと
迫る人もいた。



あたしはいつものフレーズを口にした。



「ごめん、悪いけどあたし、女だから」




目の前の少女、穂村真尋はきょとんとしてあたしを見つめていた。



あたしが真尋と初めて逢ったのは2か月前の事…