ゆったりとした風が部屋に入り込む

鮮やかな緑色のカーテンが揺れ

目覚ましが鳴る

入学したての高校にはもう慣れ始めた頃の春の朝

僕はいつも通り目を覚まし

リビングに向かう

僕の両親は共働きで忙しく、さらにはカメラマンの母と政治家の父という多忙な仕事だ

政治家とはいえども地方のしがない議員である
僕自身父が本当に必要かと問われれば答えに悩むことになる

母はそこそこ売れているらしく、家にいることはほとんどない

『これといって、幸せというわけではないし不幸なわけでもない』

この言葉は僕自身の人生観を表しているようなきがする

僕は穏便な人生を、送りたい

だれもが、思う生き方だろう

だから学校では大人し過ぎず目立ち過ぎず適度な、立ち位置で社会を生きている

ずっとこのままでいいのだ
小さな幸せがたくさんあればいい
ずっとこのままで…