真夜中。


なかなか明かりのつかないソウの部屋を、心配しながら見つめていた。


「まだかなぁ」




しびれを切らした私は、ソウの部屋に忍び込んだ。

そして手早く、クローゼットに隠れた。



しばらくして、ソウが戻ってきたような音がした。


__驚かしてやろう。


そう意気込んだのは良かったんだけど。



不意に聞こえてきた会話に、体が動かなくなった。



「……そうか、もう…」

「ああ。手紙読んだ」

「そっか。じゃあまた呼ぶわ」

「ああ。では、しばらくの間、さらばだ」



私の脳は今日に限って回転が早かった。



だから気付いちゃったんだ。



もう、過去の世界で上様と蘭丸はいないって。