つれてこられのは大きなお屋敷。
ここって新撰組の屯所じゃない?
もー、菊の短刀は桜のとは違ったんだー。
時代も、場所も、出会った人も違うじゃない!
サイアク…。
そんな私には目もくれず、沖田総司はある部屋へ私を通した。
「緑茶で大丈夫ですか? 」
「あ、はい」
「お茶うけは……お饅頭しかないですね。これでいいですか? 」
「あ、ありがとうございます…」
出されたお茶とお菓子を食べながら、私は沖田総司に訊いた。
「あの、沖田総司さん? 」
「はい、なんでしょう? 」
「なんで私に気付いたんですか? 」
私が見えるのは生まれ変わりの蘭丸だけ。
だから沖田総司が私を見つけられるのはおかしいよね?
「んー、なんだか自分によく似た気配を感じただけなんですけどね…」
自分によく似た気配……。
これ、前にも聞いた。
そうだ、蘭丸も似たようなことを言ってたんだ。
そう言えば蘭丸、私がその頃の記憶をすべて思い出せないのは、もうひとつ前世があるからって言ってたような…。
ってことはまさか!?
「あの、沖田総司さん、あなたは私の前世の姿ですか? 」