沖田総司と名乗ったその青年は、私の腕を引いて歩き出した。
「立ち話もなんだし、あんみつ屋に行きましょう」
「いやいやいやっ! 私、他の人には見えてないはずだからっ」
「ああ、そう言えばそうでした。私も君が半透明で気になったから声かけたんだから」
しばらく顎に手を当てて考えていた沖田総司は、はっと何かを思い出したかのように手を叩いた。
「それでは私の家に来てください! 人はたくさんいるけど、あなたは見えないから大丈夫ですよ、きっと」
んー、なんかよくわかんないけど、まあいっか。
私は沖田総司に導かれるままに歩き出した。