「どうせお前、振られたんだろ。
だったら潔く諦めろよ。女々しい男は嫌われんぞ。」



バカにしたような表情でユウトを見る洸。


「振られても諦めないからこそ男だろ。
俺は10年以上も那月を想ってきた!」



「どうやら分かり合えないようだな。」



「そっちこそ」



険悪な空気が流れる倉庫。


「帰れ。今すぐ。」


「那月」


洸を無視して私に話しかけるユウト。


「なに?」


「今どこの高校に通ってる?」


「西条高校」


「おっけー。じゃあ俺帰るわ。」


「「「「はっ?」」」」


なんだ急に。


さっきまで頑なに拒んでたくせに。