「アイツらの宝物。命に代えても守りたいもの。それは……南葵、お前だ」



だから、と、彼は言葉を続ける。



「…………お前を殺してやる」



鋭いその目つきに、背筋が凍った。



「……琉矢、お前らは手を出すな」



川瀬翠斗が、低く呟く。


琉矢が頷いたのと、川瀬翠斗が動いたのが同時だった。


ビュンッと風を切り、拳が鋭く飛んでくる。



「ッ……!!」



ギリギリでかわし、後ろに跳ぶ。


この人……さっきまでのヤンキーとは違う。


纏うオーラが黒いし、憎しみも感じる。


そして何より……強い。