歩さんが言っていた倉庫は、走って行ける距離。 歩いて20分だから……走れば10分足らずで着く。 校門を乗り越え、上履きのまま全力で走る。 すれ違う人の視線は怪訝なものだけれど、そんなもの気にしてはいられない。 朱架……お願いだから、無事でいて欲しい。 どうか、何もされていませんように。 それだけを必死で祈り、僕はひたすら走り続けた。