『今、王蘭の校長のパソコンにアクセスしてる。……よし、あった』



さすが歩さん。


世界有数のハッカーなだけある。



『…ん?何だこれ。…うわ、まずいな……』



何やらブツブツ言っている。


何か、あったのだろうか。



「歩さん、なにか分かりましたか?」


『あぁ…その女は変なヤンキーたちに眠らされて拉致られた。今から1時間くらい前だ』



1時間前……


ちょうど昼休みになったくらいの時間。



『何か話してるな。……どこかの倉庫に行くらしい。○○にある倉庫だ』



○○の倉庫?


ここから歩いて20分くらいのところにある、大きな倉庫か……


意外と近い。



『急いだ方がいいぞ。……蓮央さんたちを呼ぶか?』


「いえ、皆さんを巻き込みたくないですから」


『そうか…。気を付けろ』


「ありがとうございます」



通話を切り、スマホをしまう。