「へぇ、かなり可愛いじゃん」
ヘラヘラと笑う男の人。
舐め回すようなその視線に寒気がして、一歩下がった。
恐怖で自然と足が震える。
「え、何?震えてんの?かっわいー」
金髪の男があたしに歩み寄ってくる。
それから逃げるように後ずさるけれど、積み上げられたマットにぶつかった。
それに構わず、男は歩く。
それが嫌で、自分の両腕をギュッと抱きしめた。
「近づかないで……下さいっ!」
「下さいって…敬語!ハハハハッ!!」
何が面白いのか、そこにいた全員が大爆笑し始めた。
意味が分からない……!!
なんだか悔しくて、唇を噛み締める。
あまり自信はないけれど…思いっきり、睨みつけた。