家路を歩きながら、ぼんやりと考える。 いじめられていたことを話してくれた朱架。 あれ以来、彼女は『少し呼吸がしやすくなった』らしい。 屋上に、自分の居場所ができて少し楽になったと。 それは、とても喜ばしいこと。 ……でも、なぜかそれを不満に思う僕がいる。 『屋上』という無機質なものに安心感を抱いている朱架。 なんというか……それだと、嫌だと思う。 この気持ちはなんだろう。 落ち着かない。 もやもやする。 帰ったら母さんに聞いてみよう。