空を見つめていただけの、朱架。


そんな彼女を見つめていた、僕。


笑っていながらも、心の底では泣いていた玲奈。


彩りというものを知らなかった、学校生活。



全て……全て、変わった。


良い方向へと。



あれもこれもそれも、全部朱架のお陰だ。



あの日あの時、朱架と出会っていなければ。


桜が舞っていた卒業式の日。


朱架とぶつかっていなければ。


彼女に手を差し伸べていなければ。


こんな明るい未来は、無かったと思う。