学校に着いて下駄箱を開けると、ドサドサッと何かが溢れ出てきた。
いろんな色の、便箋やメモ帳。
・・・また、か。
ため息をつきながら拾って、下駄箱の中のそれらと一緒に鞄にしまった。
先週までは学校に捨てていたけれど、事務の先生から『紙ゴミの量が半端なく多くなるから家で処理して』と言われたからだ。
「葵くん、今日もすごいね……」
朱架が感心したように言いながら自分の下駄箱を開けた。
そう言う彼女の下駄箱からも、ドサドサといろいろ落ちてくる。
「朱架も十分すごいって」
「もう……また返しに行かないと」
眉を下げながら、朱架がため息をつく。
彼女は送られてきたラブレターや贈り物を全て送り主に返しに行っている。
差出人の名前がないものは、落し物箱に入れている。
それもそれで残酷だと思うけど。