「上手くできたらあげるね!」


「不味くてももらう」


「不味いのは、あげないよっ」



いたずらっぽく笑う朱架。


朱架が作るもので不味いものなんて無い。


料理上手だから。


少しくらい不器用なところがあってもそれはそれで可愛いのに、完璧過ぎて敵わない。


周りからは『完璧カップル』と呼ばれているらしい(朱架情報)けれど、僕は完璧なんかじゃない。


そう見えるのかもしれないけど…朱架を失ったら、僕には何もなくなる気がする。


朱架がいてこその、『完璧』なんだ。