「菜摘っ!もー!」


また、勝手に菜摘はカフェの中に入ろう
としていた。



「菜摘ー!勝手に入っちゃダメって」



そう言いながら菜摘の方に行こうとすると菜摘が



「あ、あーっ!あっちの方が美味しそう
だからあっち行こ?」



なんて言って私を押してきた



「う、うん?」



菜摘に背中をグリグリ押されながら
ちらっと後ろを見てみると




隆弘……と彼女さん?



2人は嬉しそうに腕を組んで
カフェに入っていった。



あ。そういうことか……




「菜摘……もういいよ?分かったから」




「奈々……」





「いいんだ!だって隆弘にはもう
幸せになってほしいんだもん


私が隣にいられないのは寂しいけどね」




菜摘に笑いかけるように言っても菜摘は
黙ったまま考え込むようになった