「え?」
『アイツと話せなくてさ~。最近明るいから、ちょっと話したりとかしてみたくて。』
「仲立ち、ですか?」
『うん。あ、ゴメンね利用するみたいで。』

よく聞いてみれば優しい声。
大丈夫そう?

「え、じゃあ……。」
『携番は元中の子に聞いた。だから平気だよ。驚かせてゴメンね?』
「あ、大丈夫です。」

よかった出回ってなくて。
友達も一言言ってよね~。

『ところでさ、あいつの教えてくれる?』
「一応確認とって良いですか?」
『大丈夫だよ~。』
「何、歩さんですか?」
『御子柴歩だよ。』

受話器の向こうで音楽が掛かってる。
ジャズかな。今好きな人、少ないよね。
十代があまり好まないこの唄を好きな人。
どういう人なんだろう。

「わかりました、亮に伝えておきます。」
『ありがとう。ごめんね。』
「いいえ。」

何処か懐かしささえ感じさせる彼に、私は興味を持っていった。