「ふぅ……。」

“ボスッ。”

ベットに寝転がって眼を閉じる。
何だか、疲れた。
いつの間にこんなに体力を使ってたんだ。
何だか驚く。
楽しんでたって事だよね?

「亮、大丈夫かな……。」

窓の外を覗いても、もう亮の姿は無い。
少し寂しいのと、新たな欲求。
だって心配だし
なにより、……寂しい。
寂しいんだよ、あたし。

「…………。」

“カラカラッ。”

窓を開けたら、涼しい風が入ってきた。
夜なのに少し明るい。
夕方だと思ってまだ遊ぶ子供。
あれだけまた気楽に生きてみたい。
悩みなんてないんだろうな……。

あたしの悩みだって高が知れてるけど。

「あさみちゃ~ん。もう入りなさい!」
「は~い。」

黒い影がポツポツと家に入って行く。
見ているだけで楽しい光景。
やっぱりあたし、幸せなんだな。
思ってたより、気楽だし。

何だ、勘違い。

思わず笑えてくる。
そうだよ、亮だって咳き込んだだけ。
お父さんだってよくしてるじゃん。

「バカだね、あたし。」

携帯の亮の写真に笑いかける。

思ってたよ、幸せだって。
いつまでも続くと思ってたよ。
だって、君が笑ってたから。