「……ねえ、大丈夫?」
「うん、もう治った。」
「今日は帰ろ?」
亮の裾を掴む。
離れたくない。
だから、守らなきゃいけない。
亮も、無言で頷いた。
手を繋いで帰って、途中でキスをした。
淡い思い出
もう、大半は消えている日常。
幸せだった事は覚えてるのにね。
「亮。」
「ん?」
「何処にも行かないでね?」
「……おう。」
不思議な顔をして答えた亮の顔が
少し青ざめていた事に気付かなかった。
だから、離れるなんて
思いもしなかったから。
「あのさ。」
「……ん?何?」
「俺、平気だから!」
そう叫んだ君の声を
私はずっと忘れない。