「遠藤のことは、良いから。」
「遠藤君は、千尋が好きみたいだけど…………?それでも良いの、千尋ちゃんは。」
「見ちゃんたんだぁ。キスしてる所。」
「キス?」
女子トイレの角で話していた。
昼休みは皆遊んでいて意外と来ない。
秘密の話には良く使われている場所だったりする。人気(?)スポットだ。ちょっと、虫がいたりもするけどね……。
「保健室でね?遠藤がキスしてた。」
「嘘、だって、じゃあ……。」
「別に、不意打ちだったかもしれないけど、
本当に無抵抗かも知らないけど。
……気付くでしょ?そんなことしたら。
なのに、何にもなかったみたいに。
好きって言っても、そんな感じで。
そのまま付き合われたら嫌だ。
だから、避けてるの。
怖いから…………。」
微かに見える空が暗く見えた。