「千尋♪おはよ~。」
「あ、おはよ……。」

君が頭を撫でてくれる。
でも、心は晴れないよ。

「どうした?元気ないじゃん。」
「そんなこと、ないよ……。」
「あ、弁当、食えなくてゴメンな。」

その言葉の瞬間、浮かんできたのは嬉しいという感情ではなくて、あの保健室だった。
保健委員の当番だけど今日は行きたくない。
あのベッドを見たくない。

「……いいよ、別に。また作るから。」

目に入るのは、君の唇だけで。
ただ、悲しいよって胸が痛む。

「れん君……。」
「ん?」
「好き。」