“プルルルルルルル……。”
ちょっとお母さん達と別行動することになって、あたしは携帯でれん君に電話した。
「…………出て。」
“ガチャッ!”
“もしもし?”
「あ、れん君……?」
“おお、俺だけど。”
「今日、風邪引いたの?大丈夫?」
“うん。もう治った!”
「……誰かお見舞いに来た?」
“分かってるくせに言うなよな~。あ、でもいとこは来た。同じ学校にいる奴。”
「いとこ?」
いとこって、従姉妹?従兄弟?
あの、キスしてた人には会ってないの?
あの人、誰なの……?
“まあ、紹介できたらいつかな。”
「あ、うん。」
“えっとさ、今日千尋って……。”
「え、何?」
“誕生日、だよな?”
「え……?!」
今、思い出した。
そうだ、だから……!!
「そうだった……。」
“何だよ~、忘れてたのか?”
「うん。すっかり。」
“会えない?今日。”
「ごめん、今日はちょっと……。」
今日はレストランだし、キスもあるし。
何となく、彼を避けたかった。
“じゃあ、明日屋上で。”
「ゴメンね?」
“ん?良いよ良いよ。”
「ばいばい。」
“バイバイ。”
“ツーツーツー……。”