優しい君の香りがしないと寂しくなるよ。
お弁当を持って秋空の下に座ってるあたし。
何だか惨めじゃない?
早く、来てよ。れん君…………。

風が吹いて、雨雲を運んでくる。
数分もしないうちに、あたしは雨を避けて教室に座っていた。紙袋を持ったまま。

「ねぇ、今日は居るみたいよ、千尋。」
「もしかして捨てられた?RE調子乗ってる系?」
「千尋可哀想!アイツマジ最低~。」

クラスの皆がこっちを見てる。
そして出てくるのはれん君の悪口ばっかり。
みんなみんな間違ってるよ。
優しくて、笑うと可愛くて。
そんなれん君が、あたしは好きなのに。
大好きなのに…………。

そんな事、言わせない!

“ガターーン!!”