「れん君、あのさ……。」
秘密基地の中で何分か経った。
会話はずっと絶えない。
好きな物、初恋、愚痴……。
この人になら言おうって。
そう思ったら止まれなかった。
「ゴメンな?」
「え?」
「授業、サボらせちまって……。こうだから嫌がられるのかな?ダメだー、俺。」
れん君の目は凄く寂しげで。
胸が切ないほど締め付けられた。
「そんなことっ、ないよ……。」
「そうかな……。」
「あたしね、れん君と居るだけで、良いからっ!」
「は!?」
顔が二人とも赤かったよね。
りんごみたいに、真っ赤っか。
今思うと笑い話だけど、真剣だった。
「…………俺も、そうだけど。」
「え?」
「別にっ。」
嬉しかったんだよ。
君の言葉が優しくて。
「……連れてきてくれて、有り難う。」
「……うん。」
そこには、幸せなときが流れてた。