そのまま席に着かずに結衣とトイレに向かっていると、1組の廊下に人だかりができていた。

「なんだろうね...
ちょっと行ってる?」

「うん。」


好奇心から、人だかりをかき分け1組の教室を覗きくと...
友達と楽しそうに喋っているイケメンがいた。

この人だかりから送られている視線の先は、きっと彼だろう。


「カッコイイ男の子だね。」

なんて、言いながら結衣の方を見てみると、その男の子を見ながら固まっていた。

表情には、驚きと焦りが浮かんでいる。

「..ゆい...?」

結衣は、はっ、と我にかえった様子で、振り向いた。

「えっと..そーだね!
...そろそろ、もどろっか。」

「う、うん」

早足で戻る結衣を追いながら、ふと、男の子ほうを見ると、なんとなく目が合ったような気がした。ーー