「いってきまーすっ」
玄関を開けて歩き出すと、春の暖かい空気が背中ぐらいまであるブラウンの髪の毛をサラリッとなびかせる。
ひなたぼっこするには、うってつけの日和 だろうなぁ。
目の前の公園にある桜の木から、花びらがはらはらと、舞っている。
「みーこっ 早く行こー!」
公園の脇道から、首もとで切り揃えられたフワフワの髪の毛を揺らしながら、結衣がかけよってくる。
「ごめんね...遅くなっちゃって...。」
「全然へーきだよっ」
ニコッと八重歯を見せて笑う結衣は、すーっごく可愛い。
お姉ちゃん気質の結衣は、頼りになる存在。
容姿端麗で成績優秀、私の自慢の親友だ。