勢いよくベットから立ち上がり、真新しい制服に袖をとおした。
姿鏡の前にたつと、チェックの緑色のスカートと赤のリボンのブレザーを
着なれない様子で身に纏っている自分がいた。
この制服を着て新しい学校生活をおくれると思うと、自然と胸がはずむ。
「よしっ」
気合いをいれて、準備にとりかかる
顔を洗い、リビングに行くと、お母さんがテーブルに朝ごはんをだしていた。
「おはよう。」
「あら、おはよう。」
目尻を絞らせて笑う柔らかい笑みは、歳をとっても、きれいだ。
「今日は、あとで入学式にいくわ。」
「うん。」
朝ごはんのトースト一口食べると生地がふわふわで口のなかにバターの風味がひろがる。
トーストと目玉焼きの相性は、最高だ。
朝食を噛み締めていると、気づくと、時計は15分を 指していた。
「う、うそっ!」
慌てて歯磨きをして、お気に入りのリュックを背負いながら靴を履く。