その帰り道、魁斗の家による。
魁斗の親はお母さんしかいないらしい。

「母さん、ただいま」

お母さんは優しい笑みを浮かべた。

「おかえり、魁斗。唯ちゃん、こんにちは」

私は頭を下げた。
分からない。
この人のこと知らない。

「俺と唯、付き合ってるんだ」

「そう。いいんじゃない?唯ちゃん、魁斗をよろしくね」

「はい!」

軽く挨拶をして、また、バスに乗る。
高校は諦める。
何ヶ月も家に帰ってないし、もう、無理だ。

「よかった、許してもらえて」

安心した顔をしていた。
嬉しそう。
本当に良かった。