それから連絡しても集くんにつながらない日が続いた。

でも高校も一緒って聞いたし、この時はあまり気にしていなかった。

でも………。


集くんの親友だった子が
「集はもういないんだよ。この町には。
きっともう帰ってこない。」
と私に教えてくれた。

それを聞いたときは頭を鈍器で殴られたかと思ったぐらいズキズキした。

「ど…して…?」

やっと出た声は今にも消えそうだった。

そしたら集くんの親友は一瞬黙って、重そうに口を開いた。

「あいつの親父が借金作ったらしくて。
母親がその親父に愛想つかして集つれてでてったらしい」

驚いて目の前が真っ白になった。

だって、あの日。
私のこと「好き」って…そんな大事なこと言わなかったのに…っ。

もう会えないんだ。集くんには。

あたりまえのように隣にいたのに
あたりまえは思ったよりも、簡単に崩れた。