「これって神様が葵ちゃんに構ってあげなさいって言ってるんだね、きっと」
「先輩お願いだから黙って…」
そんな神様いらない…
自分のしがないくじ運は、一番引いてはならないヒトを引き当ててしまった。
青ざめる私の隣で薫先輩はご機嫌だ。
懇願して、何とか一番後ろの席にしてもらった。
先輩は先頭に行きたがったがとんでもない。
目の前のレバーを渾身の力で握っていると、隣の先輩がクスクス笑いだした。
「ごめんごめん。からかいすぎたね」
そう言ってぽんぽんと背中を優しく叩いてくれた。
「目、瞑ってるといいよ。すぐ終わるさ」
「…それ、余計に怖くなりません?」
「目、開けておけるなら何も言わないけど?」
そう言われてぶんぶんと首をふった。
それを見て先輩は盛大に笑った。