「ミソラさまが、心配することはない。大丈夫だから」
「・・・でも」
「大丈夫だ。少しの間、辛抱しろよ」
優しい声に少し気分が楽になる。
カイが大丈夫って言ってくれたら、大丈夫だって思える。
私って、単純なのかな。
カイはそのまま部屋を出て行った。
残された私は、すとんと椅子に座る。
結局、大事なことは全部聞けなかった。
たしかなことは、カイがお母さんの事を好きなこと。
でも、カイ自身はそれをよく思っていないという事。
自分にはそんな資格ないって。
好きでいてはいけないって。
それは、お母さんがもうお父さんと結婚しているから?
他に理由があるの?
「わからないや・・・」