プリンセスとして襲うならまだわかる。
ソラである今の私を襲う理由がわからないんだ。



「もしかしたら、あいつらも誰かに雇われてるのかもな」

「雇われてる・・・?」




そこまでして、私を誘拐した理由って・・・。
敵意を感じたのは、生まれて初めてで恐怖が生まれる。

怖い・・・。


その時、大きな音を立て扉が開く。
数人の男が中に入ってきた。

カイが、私を庇うように前にずり出る。



「かっこよく助けに来たが、残念だったな。お前はここでこの女と一緒にあの世に行くんだよ」

「ッ!貴様らの狙いはなんだ!」

「狙い?その娘をあの世に送る。ただそれだけだ」

「なんのために!」




カイが叫ぶ。
この人たち、私の命を?

お金とか、そういう物じゃなくて、私の命?



身体が震える。
カイの背中が、逞しく私を護ってくれている。