「カイ・・・。お願い、カイの顔が見たい・・・。少しで、いいから・・・」



扉に額をつけ少しでも近づけるように。
ヒンヤリとした木の感触が、寂しい。



「だめだ・・・。帰るんだ、ミソラさま。俺は、俺のせいで、ミソラさまにケガを負わせてしまった」

「違う!私のせいよ!全部、全部、私が悪いの」

「ミソラさまを、あそこに連れて行くと決めたのも、ミソラさまを護れなかったのも、俺のせいであり、俺の力不足だ」




カイまで、お父さんと同じことを言う。
ポロポロと溢れだした涙。


悲しくて。
悔しくて。




「俺は、謹慎の身。この扉を、俺が勝手に開けるわけにはいかない。だから、帰りなさい」




カイは、私に会いたいって思ってくれない。
そんなの、わかってたことなのに。


少しだけでよかった。
カイの顔が見れたら、まだ頑張れる気がしたの。



もっと、もっと。



頑張らなくちゃいけないの。