「俺が、騎士の一人を人質にとり殺そうとした。その仲間を助けるために、その任務は取りやめられたんだ」



カイは肩で息をしながら、一気にそう言い切った。

お母さんを襲ったその事件のこと?
お母さんを殺そうとしたっていう・・・。




「だから・・・、お前の両親の死の原因を作ったのは、王族じゃない。俺だ」

「・・・っ、ならば、貴様の息の根を止めてやる!」





ケイが身体を震わせ、剣を振り上げた。





「やめてぇぇぇぇ!!!」




私は叫ぶ。
ケイの身体が震える。


声は、届く。






「ケイ!そんなことしたって、なにも変わらないよ!ケイは、そんなことしちゃいけない!」