目の前に、背中が見える。
その背から、突き出る刃。


息をのんだ。




「――――カイッ!!!」





カイが、膝をつく。
その背から、刃が引き抜かれた。



赤。



「・・・っ、恨みを向ける相手が・・・違うだろ」

「カイ!?」

「お前が・・・っ、本当に恨むべき相手は、王族じゃない・・・。この俺だ!」




カイの声が響く。
なにを、言っているの?




「その時、その任務を取りやめる原因を作ったのは、この俺だ」

「えっ」



その言葉に、私の声が漏れる。
どういう事なの・・・?