もう寝る。

寝るしかない。

ねるしかなっちゃん。

寝たい。

顔がぽかぽかしてる。

動悸激しい。

明らかに原因が熱中症じゃなくて。

うむ、思春期独特の病。

きっとさくらんぼの味。

考えないでいこう。

一度ちゃんと寝ておこう。

そうやって、脳ミソの表面ばかりをすべるような、どうでもいい言葉ばかりが溢れてきて。

何もしてないんだから、大丈夫なのにうだうだと寝れないで時間が過ぎていく。

八桐からもらったスポーツドリンクを飲み干した頃には、一時間ほど経っていて、体調は普通にいい。

一重にクーラーのお陰だろう。

八桐に言われたこともあるからしょうがないと、涼しい保健室を後にして、グランドに向かうことにした。

体育祭の日は校舎内が、立ち入り禁止になる。

自動販売機のある昇降口は開いているため、日陰で休んでいたいような人は、昇降口に集まっている。

そのなかに莉緒がいたので、とりま声をかけておく。