「だってさ。
仮にも『学校一の不良』として恐れられてる人だよ?
実は誰にでも優しい人だった、なんてあるわけなくない?
そんなんなら最初から、ちょっと見た目は怖いけど優しい人って思われるじゃん。
しかもあのルックス!
超絶イケメン。
それでも露骨に近付く人がいないってことは、近付くのが怖いってことじゃん」
……………。
確かに。
晶は優しいけど…私を脅してきたあの女の子達には結構酷いこと言ってたっけ。
それに、確かあの女の子達…『晶に名前は呼ぶなって言われた』みたいなことを言っていた気がする。
「それでもヒツジちゃんの前ではあんなに優しいなんてさ。
ヒツジちゃん、超特別扱いされてるってことじゃない?」
「……………………。
そう、なのかな」
「そうだよ。
最初は…そうだなぁ。
ヒツジちゃん、藤崎くんに初めてあったときになんか特別なことでもしたんじゃない?
それで、興味を持たれたとか…」
特別なこと…?
最初は………。
………えっと、思いっきり拒絶した記憶しかないんですけど…?
とにかく、すっごい失礼なことをしていた記憶はあるよ。
うん。
「まあ詳しくはわからないけどさ。
少なくとも、特別には入ってると思うよ?ヒツジちゃん」
特別、なのかなぁ。
………だとしたら、嬉しいんだけど。
少し、自惚れちゃっても良いのかな。