「あ、いずみ先輩はいた?」
「えっ…あぁ、うん。いたよ」
いずみさんまで知ってるのか。
千夏ちゃんの顔が、少し何かをなつかしんでいるように見えた。
気になる気持ちを抑えて、筆についた青色を看板の指定された部分に塗る。
「……そう。
あっ、それで?
泊まり…ってことは、一緒に旅行に行ったってことだよね!?」
「う、うん」
「きゃあぁ、もうそこまで行ってるんだぁ。
もう告白しちゃえばいいのに~」
「えっ!?」
は、話が飛躍しすぎじゃない!?
さっきまで少ししんみりしてたかと思えば…!
思わず筆を落としそうになって、慌てて持ち直す。
危ない危ない…。
落としたら大惨事だよ。